IR法案で考えた事

国会が開店休業みたいになっていた様ですが、そんな中カジノの新規建設を許可するIR法案が成立しようとしている、と聞いて青天の霹靂的にびっくりです。

自民党が推し進めているとは聞いていましたが、まだまだ問題は山積みでそんなに簡単には出来ないとばかり思っていましたよ。

今カジノについて気になる事は大きく2つ (1)経済効果(2)ギャンブル依存症への対応です。

(1)経済効果

実際の効果

カジノでの消費金は、付加価値を生むものでは無く、浪費の一つと言えるでしょう。
マッサージやエステなどならお客の気分、体調は総じて良くなりますし、金額もたかが知れているのでしょうが、ギャンブルの場合一部の勝った人を除けばお客の気分、体調は総じて悪くなりますし、下手をすると破産する人も出てしまう事でしょう。

一部の勝った人以外総じて悪くなる、と書きましたが、神ならぬ人は勝ち続ける事などできませんので、最終的には全てのお客様の体調が良くなり、かつお金を失う、と言えます。

そんな浪費で日本の富が外国資本に流れていく、と言うのは長い目で見ると結局日本の経済悪化を招くのではないでしょうか。

ちなみに、日本の富が外国資本に流れていく件については、現在パチンコで起きている事と同じ構図と思いますので、政府にはカジノの前にまずそちらの対応からお願いしたい所です。

パチンコ屋って北朝鮮に送金してるの?→業界人「してません」

2017年のブログですが、結論としてはされているそうです。

顧客

経済効果についてもう一つ気になったのは、お金を落して行ってほしい対象(カジノの顧客)についてです。

外国人旅行者が対象?

日本政府は海外から来たお客さんを対象にしているとの事。

日本人からは入場料数千円を取るのは、依存症対策でもあり、外国人旅行者優遇の意味でもあるそうです。

入場料は依存症対策には効果が無い

入場料を取ってしまうと、逆に元を取ろうと長居してしまうきっかけになりますから、現状全く対策は取られていない、と言って過言ではありません。

入場料は単に外国人旅行者優遇です。

日本人が対象?

逆に、海外資本は日本人を対象にしていると言う主張が多く目につきます。

外資カジノが”1兆円投資”を発表した思惑

こちらの主張の方が理解はしやすいです。

ぱっと見、お互い逆のことを言っている様な状況がまた効果的な対策を考える際のネックになっている様に感じます。
守るべき対象があやふやなままだと、建設的な議論が出来ないです。

日本人も入場可能な時点でターゲット(顧客候補)です。

だったら日本政府も潔く対象顧客は日本人、外国人旅行者両方だ、と明らかにした上でちゃんとした対策を考え、進めてほしいものです。

(2)ギャンブル依存症への対応

反対派はギャンブル依存症について問題視します。

とは言え、既存のギャンブルで生み出されたギャンブル依存症が500万人以上いる、と言われている中、
反対派の主張は「今より更に増える」と言う事でしょう。

しかし、この場合は、今現在町中に普通にパチンコ店が大量にある状況こそ大問題でしょう。
今から日本に新規で3か所出来たところで、その影響は特に大きく感じられません。

もちろん一番良いのは、新規カジノ場を増やさず、かつ既存のギャンブル依存症対策費として、パチンコ等公営賭博経営者に負担して頂く、と言う事かと思いますが、現状ではちょっと難しそうです。

と言う事で、現状を考えると、
このRI法案をきっかけとして、ギャンブル依存症対策を手厚いものに変える事を(政府に)認めてもらう、
と言う事がセカンドベスト、と言えるでしょう。
そして、その難事業に挑まれている方が居らっしゃいます。

ギャンブル依存症問題を考える会
代表の田中 紀子さんです。
非常に参考になるブログを書かれています。

今回のIR法案の仕組、問題点についても積極的に発信して頂いており、大変勉強になります。

最近のエントリでは今回の法案の問題点を3つ指摘していらっしゃいました。

IR法案これだけは譲れないポイントです

1. ギャンブル依存症対策費について明記すること

カジノを許可するなら、絶対に30%の税金のうち何%を依存症対策費にまわすのか?
これをはっきりと明記して貰わなければ、
相談窓口の設置と、入場制限で終わってしまう可能性があります。

ここは絶対に譲れません。

2. 特定金融業を含めた、依存症対策の見直し

内閣委員会の答弁でひっくり返って驚いた、依存症対策の一環という「特定金融業務」。
いわゆる富裕層に対して、カジノ業者が無利子で貸し付けを行うというものですが、
こんなことしたら、日本の金持ちが軒並み依存症になっちゃいます。

むしろカジノは富裕層の依存症対策が必要なのですから、
それを富裕層はノーガードでOKとするなら、何も対策がないのと同じです。
IRのギャンブル依存症対策は見直して下さい。

3. どこに責任の所在があるのか?

一体、カジノができた場合の依存症対策の責任者は、
国、地方自治体、カジノ業者のどこになるのか?
それもはっきり示して欲しいですよね。

依存症と言うのは誰でも関係があるトピックと思いますので、いつも見させて頂いており、今回とても参考になったので引用させて頂きました。

結局経済効果とギャンブル依存症の所でせめぎ合っていますが、
ギャンブル場経営者が儲けた尻拭いを国民の税金や親族が行う、と言う、今のパチンコや競馬等公営賭博がある日本における悪循環構造を残したままにしておくと、このIR法案が結局日本の活力を絶つ事になってしまいます。

逆に、世界で展開している海外資本のIR業者が、海外で積んだ知見から得られる、ギャンブル依存症対策案などは無いんでしょうかね。

これら海外資本のIR業者はイナゴの様に全てを食いつくしたら次の国、と言う事は無いでしょうから、依存症が問題になり過ぎる事は望まないでしょう。
そんな訳である程度の協力はしてくれるのでは、と言うのは超楽観的でしょうか。。。

この法案を機に全ての本質的なギャンブル場経営者には相応の負担をしてもらうきっかけにしてほしい。

その為にこれから積めていく事は山ほどあります。
野党の皆さんは非現実的、非論理的な主張で時間を無駄にせず、建設的な意見交換を行い、しっかり仕事をして欲しい。

また、与党の皆さんも自分たちの法案を効果的な、国民の為になる法案とすべく、野党に指摘されるまでも無く、真摯に対応して頂きたい。
まずは田中さんの指摘されている3点についてきっちり対応して頂きたいものです。

これからの審議を注目です。