日本代表、背水の陣

日本代表の一次リーグ突破

が思ったより物議を醸し出しているようです。

見終わった直後は素直に「フェアプレーの人が選ばれるって、素敵やん」とか思っていた私はちょっとびっくりです。

要するにフェアプレーポイント

多分今回一番問題になっているのは
「フェアプレーポイント」の差で決まったのに、突破が決まるその試合が「それフェアプレーなの?」と言う試合になってしまった、と言う所でしょう。

ですが、そんなのはただの言葉遊びです。

と、言うのも、得失点差などで両チーム出場が出来る場合にボール回しが始まるのは現在のワールドカップのシステム上、普通にある事だからです。

「豚になっても生き抜け」 西野 朗の22年 (ワールドカップ グループリーグ 第三戦 日本0-1ポーランド)

でも指摘されている様に、2002年日韓ワールドカップでもイタリア対メキシコで同様の事が起きました。

これ以外でも、ワールドカップグループリーグ第3戦においては、いろいろな偶然が重なった結果、ルール上勝ち上がる事が出来る事が判明した段階で、両チームが消極的プレーになる事は仕方の無い部分があります。

そして、現在のルールでは、勝ち点、得失点差などが並んだ場合、フェアプレーポイントも加味される仕組みな訳です。

得失点差や勝ち点でボール回しをするのは良くて、最後のフェアプレーポイントの差異の場合は悪いのでしょうか?そんな事はありません。

今回はたまたまその条件に合ったから、西野監督は覚悟を決めてボール回しを選んだ訳です。

FIFAが今のシステムを継続する限り、同様の事は続く事でしょう。

 

日本代表よくやった!

しかし考えてみてください、これはフェアプレーを心がけて、イエロー、レッドカードが少なかったチームにだけ採れる戦術です。

日本代表はもっと胸を張っても良いと思います。

逆に下手に攻撃をしかけてカウンターで失点等すれば、世間は手のひらを返して 「なんで攻撃なんかしたんだ!」 と非難の嵐にさらされていた事でしょう。

どちらかからは文句を言われるなら、次につながる結果を残す方が正解です。

繰り返しになりますが、日本代表は良い仕事をしました。

 

フェアプレーポイントについて

フェアプレーポイントへの加重がおかしい場合、
例えば
「勝ち点→フェアプレー数→得失点差で順位が決まる」
みたいな状況はさすがにおかしいと思います。

しかし、そうではなく、勝敗などで優劣を決めた後でも決着が付かない場合の最後の指標としてフェアプレーポイントを比較する事自体は、各々の試合を落ち着かせる意味でも良いと考えます。

日本の選手達は第1戦から数えると合計260分ほど闘志を出して戦ってきました。イエローカードが少ないクリーンなプレーで。

この約260分で積み上げてきた勝ち点、得点、その間やってきたフェアなプレー、それら全てを考慮出来る、と言う意味で優れた評価方法と考えます。

勝負師西野監督

そんなルールを考慮した上で、積み上げた勝ち点、得点、彼我のフェアプレーポイントの差異、それらを残る時間と状況を考えて西野監督が判断しました。。

今から考えるとこの西野監督、なかなか頼もしい勝負師です。

私も当初、ベストメンバーで当たって勝つのがすっきりするんちゃんかな、と思っていましたので、スタメンを大幅に入れ替えた時点においては少し残念に思っていました。

乾選手、香川選手が大柄なポーランド選手を相手に大立ち回りを演じるのをかなり楽しみにしていましたので。

しかし、それは所詮外野の意見でしょう。

西野監督は、第3戦を中途半端に力を使い切って勝ちきるよりも、その先を見据えて勝負をかけたのかも知れません。もちろんこれは完全な想像です。

しかも今回の敗戦&グループリーグ突破にはおまけが付いてきます。
不完全燃焼の試合をした選手達の心に、もっと思いきって試合をしたい、と言う火がついた事でしょう。ちなみにこれも想像ですが、選手達の顔を見ていると、当たらずとも遠からずではないかと期待しています。

例えばグループリーグ突破に全力を傾けていた場合、勝てたかも知れませんが、その時点で消耗は激しく、こりゃぁ次のベルギーに負けても仕方ないね、と言う雰囲気になっていた事でしょう。

しかし、日本がフェアプレーポイントでグループリーグを突破してしまった今回、日本代表は、ベルギー戦に簡単には負けられない状況になりました。

もしこのまま負けてしまえば、今まで以上にフェアプレーポイントで勝ち上がった事をやり玉に挙げられてしまう事は必定。

日本代表は窮地に陥ってしまった訳です。
ベルギー、段違いに強い相手ですが、そんな事を言ってられない位の窮地です。

実は西野監督、この背水の陣の状況まで読んだ上での第3戦の采配だったのかも知れません。

日本代表、横綱級の国ベルギーとの一戦、我々の想像、思い込みを軽く吹き飛ばす熱い試合を楽しみにしています!

(6/30:誤植を数カ所修正しました)

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